大変、感激した。本書の内容はよくよくこれから自分にできる限り深く理解し、行動しなければならない。いまは、あえてその感動のまま浅薄な理解をメモしておきたい。
- 作者: 大栗道榮
- 出版社/メーカー: 鈴木出版
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
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私に「理趣経は読んでおいた方がいいよ」と進めてくれたのは、医者で坊主という多才な私の旧友だ。なにごとにも理解が深い彼は、もとから真言宗の僧侶のおうちで生まれ、得度までした。そうなんだ、そうだね、読んでみるよとその時は深く考えずに受け止めていた。それでも、彼の勧めに従ってAmazonで本書を購入した。Amazonで履歴を確認したら、なんと一昨年。ずいぶん「積ん読」していたものだ。
改めて、読み始めてみて、理趣経とは金剛界曼荼羅の成身会の内容そのものであることを知った。理趣経十七段のひとつひとつの段が深い仏教の教えを、切れるのが不思議なくらい4つずつに分けて懇切丁寧に説明されている。東西南北に配置された仏様が象徴する教えの深さを本書は大変わかりやすく伝えてくれている。
理趣経、そして、成身会の中にまさに人の生きるべき、人の知るべき宇宙が描かれている。とても活き活きと。それをいま感じられる。東西南北(東が下)と中央の5つの仏様。この構造がが、マクロにも、ミクロにも続いている。まさに立体的な曼荼羅がそのまま描かれている。
曼荼羅がひとつのテーマを4つに分ける構造であることは、宮澤賢治の「雨ニモ負ケズ」で強く感じた。
そして、理趣経全体がこの構造で出来てる。それは、木火土金水の五行をはるかに超える深さだ。中国の五行など仏教の曼荼羅のまねに過ぎないとすら思える。
そして、理趣経が十七段であるのも、成身会の3×3の9つの仏様と、そのまわりを囲む東西南北の8つの仏様*1の十七であることと関係が深いように思える。
とにもかくにも、現在の私の浅薄な理解から言えば、仏具から始まって、十七清浄句句、仏様のお姿、梵字、そして、理趣経の構造そのものまですべてがつながっていて、すべてが曼荼羅の構造になっている。あまりに素晴らしい。真言宗の宗徒の家に生まれ、仏教の信仰に導かれていたことに深く感謝したい。
更に感激を深めたのは、実はいまオフィスの引っ越しの真っ最中なのだが、荷物を整理しているうちに、まさに私に理趣経を勧めてくれた友人の父君が書かれた十七清浄句についての論文のぬきずりが出てきた。曼荼羅と「四つ」構造に関わる部分を論じておられた。内容は私の理解を超えているが、それでも、これはきっと深いご縁なのだと。まさに今日、この論文を読んだ。
よくよくいまの感動を菩提心につなげ、行動していきたい。十七成句の「あうん」については、別途エントリーを起こす。