「源氏物語五十四帖」が届いた。源氏物語だけではなく、これまでの中島画伯の画業の集成と言える画集であった。
中島潔の世界―風の画家 日本のこころ故郷のこころ 源氏物語五十四
- 作者: 中島潔
- 出版社/メーカー: KABA書房
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
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正直、「源氏物語の女」の時には感じられなかった女性の孤独、哀愁がすみずみから感じられた。
この絵は、晩年の紫の上。光源氏の妻として栄華を極めはしても、子供も生まれず、不幸も続き、哀愁を噛みしめる日もあったのだと私は想う。
紫の上(むらさきのうえ)は、『源氏物語』の登場人物。光源氏に次ぐ主要な人物である。容姿とともに知性、性格などでも最高級の女性として描かれる。
紫の上 - Wikipedia
中島潔は早くに母親を亡くした。このことがどこかに影響しているのだろうか?素直な目をした童たちにも、背中をこちらに向ける女性達にも、寂しさがにじみ出ているように想えてならない。
私もついつい昔知っていた女性をここに重ねてしまう。女性の背中には、どこか支えてあげたくなる表情がある。