HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

地方空港を空の駅に

インバウンドの衝撃」を読了。これからの日本の観光産業、いや日本の未来を考える上でも大事な本だと認識した。

富士急の「下吉田駅」がタイ人のカップルのSNSへの投稿をきっかけに、タイ人観光客のメッカとなっている話しは大変興味深かった。観光地となる場所は、準備に準備を重ねて、そこにSNSのような21世紀の通信手段の幸運の女神がほほえんで観光ルート、インバウンド需要ができてくるのだと想う。

富士吉田 新倉山浅間公園

GANREF | 富士吉田 新倉山浅間公園

本書を読んでいる間に、オーストラリアから来られた新婚のカップルさんとたまたまお会いする機会があった。日本に二週間滞在して、それでもぜひまた来たいと語ってくださった。別にエントリーを立てたいが、いずれにせよ日本に来たい、また来たいと興味を持っている潜在インバウンドの方々は世界にたくさんいらっしゃることを実感した。

出会い、おもてなしが成立するには、インバウンドのお客様をいかにお迎えするかの準備、舞台づくりがこれからの肝。その中で、本書の大事な指摘としては、日本の100余りの空港、中でも地方空港を「空の駅」として観光の拠点として位置づけるという意見があった。「道の駅」の概念を拡張して、インバウンドの顧客を迎え入れるのに整備していくべきだという主張である。

日本の空港

日本の空港 - Wikipedia

成田や羽田などのいわゆる「国際空港」ではなく、地方で入出国手続きができる空港の活用のことを言っているのだろう。アジア各国から直接地方空港に乗り入れ、そこを拠点として地方のまだ見ぬインバウンド観光地を活性化すると。

(広義の国際空港)。

【北海道・東北地方】札幌(新千歳)・旭川・函館・青森・秋田・仙台・福島
【関東・中部地方】茨城・東京(羽田)・東京(成田)・新潟・富山・小松・静岡・名古屋(中部)
【近畿・四国・中国地方】大阪(関西)・米子・岡山・広島・高松・松山
【九州・沖縄地方】福岡・北九州・長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄(那覇

現在、日本の国際空港はどこですか。すべて教えて下さい。 - 補足... - Yahoo!知恵袋

まだまだ乗り入れの航空会社も限られているし、なかなか一朝一夕にはいかないが、LCCの台頭もあり、十分に考えられる未来の姿がある。

繰り返すが、日本の未来はインバウンドの顧客をどう受け入れるかに結構かかっている。ちょっとアジアの各国に行けばわかるが、世界はどんどん進んでいる。製造業、第二次産業だけでは、国はもたないだろう。堀江さんのおっしゃるとおり*1。もっともっと国も、空港関係者も日本が世界委の各国から水をあけられているという事実を受入れ、今度の姿を考えて行動していくべきだ。オリンピックは呼び水にすぎない。オリンピック後のインバウンド需要にいかにつなげる施策を実施するか。この数年で国際的なインバウンド立国ができるかどうかが、これからの日本の、特に地方の存続を決めると言っても過言ではない。

cakes.mu

*1:私もいくつか訪問して同じ印象を持った。  hpo.hatenablog.com