しばらく前の増田、はてな匿名ダイアリーに武藤貴也衆議院議員の金銭問題について取り上げられていた。お坊さんに聞いた、「コップに尿を入れる。そのコップを徹底的に洗う。それでも、そのコップで水を飲めるか?抵抗を日本人なら感じる。その感覚が『穢れ』の感覚だ。なんの根拠もない」という話しから、武藤代議士が「穢れ」てしまって、それはぬぐえないという話しであったと記憶する。ぶくまをつけたはずなのだが、検索しても出てこない。
山本七平が同じ話しを「色即是空の研究」で書いていた。
たとえば「しびん」という名をつけると、もうそれで酒が飲めなくなる。
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この「しびん」の話しは、仏教における「差別(しゃべつ)」の問題について一節にある。ここでは、仏教で智慧をえるには、仏教用語における「差別」をするなと書いてある。仏教における「差別」とは、世間一般の用法とは違い、「役にも立たないことをあれこれ区別すること」を言う。だからこそ、前段のお坊さんの話しにつながる。
今後、安保法案が成立した秋には武藤議員の問題は忘れ去れているだろう。日本人の興味のカタストロフィー理論的な変転の仕方は、山本七平の「空気の研究」の通りだ。
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私も願わくは、しびんで酒が飲めるくらいの度量の人間でいたい。無用な「差別」はしない人間でありたい。武藤代議士におかれても、正論を言って世間の波風が立つのであれば、ぜひそれを受け止めていただきたい。そう願う。