HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「ゼロ・グラビティ」

いやあ、すごかった。全編が無重力状態のシーンだという映画がいままであっただろうか?3DのIMAXの威力だろうか、自分が実際に無重力で宇宙空間でただよっている感覚があった。恐怖と息苦しさをリアルに感じた。逆説的だが、音楽と効果音も見事に音の伝わらない宇宙空間を表現していた。この映画を自宅から5分の3D IMAXシアターで見られる幸福をかみしめながら見た。

ほんとうにどうやって撮影したのか?あまりのリアルさに、すっかり宇宙空間を1時間半体験してきた気になってしまった。見終わった後、重力のある空間でまっすぐに立ち上がれるか自信がなかった。

登場人物も二人しかいない。背景も宇宙空間だけ。だが、これは内省的な映画である。いや、監督が紹介ムービーで語っていた言葉なのだが、音もない、重力もない空間での映画であるだけに、登場人物の思いが伝わる。監督が「この絵を撮りたい!」という想いをいくつかのシーンで特に強く感じた。