HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

女の一生

少々遠出してお世話になった方の仏前にお線香を上げにいってきた。改めて、生前の作品、昔の写真などを拝見し、ご家族のお話を伺って、亡くなられたこの恩人の生涯の重みを感じた。古い古い女学生時代のお写真からして、想いを感じる。ご結婚、子育て、ご主人との死別、若い頃から手がけられていた美術品の作成へと、なにか一貫した強い想いを感じた。お声が聞こえるようだった。何人かの女性は生涯をかけて自分の思いを外に昇華するのではなく、内に結晶していく。亡くなった時にはじけてしまった結晶のかけらはいまだにぬくもりが感じられる。

女性の一生というのもなんとも不可思議なものだ。手に触れられない奥底がある。