「カラマーゾフの兄弟」をkindle版で読んでいる。結局、女たらしの性情を持つ男たちの話しとしてしか私には受け止められない。キリスト教くささを除けば、「源氏物語」とかわらんのじゃないかと。
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で、女たらしには、二つの類型があるという。
カサノヴァ型
不特定多数の相手と性的な快楽を追及しようとするタイプ。ジャコモ・ジローラモ・カサノヴァが語源。
ドンファン型
色情症 - Wikipedia
特定の相手にこだわり、その過程に快楽を追及するタイプ。ドン・ファンが語源。
ネットを見ると諸説あるみたいだけど、自分の記憶で言えば、カサノヴァは母親の愛にめぐまれず女性への復讐のように相手を次々に替えていくタイプ、ドンファンは相手の女性と母親をよい意味で重ね相手を幸せにしようとするタイプだと。女たらしはいただけないが、男が女性に母親との関係を重ねるいうのは、源氏物語以来の恋愛小説のドグマだ。いずれにせよ、相手の女性に等身大で受け止め、愛と尊敬をそそぐのではないので、カサノヴァもドンファンも、遍歴を重ねていくことになる。カラマーゾフの兄弟の父親、フョードルは母親の愛にめぐまれなかったカサノヴァ型の女たらしのカリカチュアだ。ドミートリイは・・・、まだ断定しないでおこう。ただし、天性の女たらしであることは間違いない。
制御できない性愛への渇望を正当化することはできない。しかし、その渇望と人生の生きる道との間にいかに中庸を見いだすかがドラマとなる。例の三角形をオイディプスコンプレックスへと重ねることは容易だが、そこには陥らないでもう少し「カラマーゾフの兄弟」を読み進めたい。
三角関係が恋愛小説の基本か? - HPO:機密日誌