HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

収容所の中の連帯

相変わらずギャラクティカにはまっている。シーズン3の前半がすごい。なにがすごいって、戦いに負けることをこれだけ正面からテレビシリーズとして向かい合っているドラマはない。

GALACTICA/ギャラクティカ | ニュー・カプリカ を視聴 | Hulu

山本七平が欧米人は捕虜収容所の中でも、欧米人は自治の精神があるといっていた。たしかに、ギャラクティカの中でも収容所と化した惑星において捕虜、Prisoner of war、となった人々は自分たちの大統領を持ち、行政府を持っていた。そして、レジスタンスも行われた。しかし、その強烈な体験を乗り越えるには、負け犬根性、兵隊根性をいかに克服するかがリアルに描かれていた。

ネタバレはしたくないので、なにが起こったかは書かない。ドラマの中とはいえ、強烈な体験には、強烈な体験をもってしないと克服できない。収容所での共通の体験、共通の苛烈な苦痛をもって、負の意味での兵隊根性として蔓延させる様子が描かれていた。これは、職場でも同じ。負け犬根性、ルサンチマン、「お前は悪くない、上司が悪い」という
赤提灯での愚痴、これらは組織を腐らせる。そして、ギャラクティカのひとつのシーズンの前半を使っても描ききれないほど根が深い。