経営を学ぼうと経営の本を読んでも、リーダーシップ論を読んでも、陽明学をひもとこうとしても、如何なるセミナーに出ようと、究極の結論はひとつ、私を手放すことだ。ドラッカーが経営で一番大事だとした真摯さ、integrityも欲と怒りと迷いを手放すこと以外のなにものでもない。「私心なかりしか?」と盛和塾の稲盛塾長もおっしゃっている。ネルケ無方さんのおっしゃるとおり。「私を手放す」、これだけだ。
私を手放せば、そのものになりきった自分しかいない。社長をやるときは社長だけ。歩くときは歩くときだけ。食べるときは食べるだけ。そこには自分など必要ない。ここに立てば、たとえば陽明学にいう「格物致知」とは、「そのものになりきれば、そのものごとがわかったのと同然だ」と言っているに過ぎない。
そのものになりきるのに、坐禅ほどの近道があろうか?
- 作者: ネルケ無方
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/06/15
- メディア: 新書
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