HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

司令官は砲兵の照準を合わせない

組織は巨大な慣性の力で動いている。トップリーダーはただひとつの方向を示すべきだ。そこをトップリーダーが状況に応じてあっちだ、こっちだと指示すること、大概の場合弊害ばかりが出てくる。

城野先生は「獄中の人間学」で以下のように語っていた。

だいたい指揮官の任務というのは戦略的統一を図ること。それだけでいいわけで、戦術的指図はしなくていい。(中略)戦術面では各部門の前線指揮官が一番材料をそろえているから、それに任せなくては駄目だと思う。司令官が前線に出てきて、砲兵の照準を合わせて回っているようでは戦は負けだと思っていますよ(笑)。

獄中の人間学

獄中の人間学


太平洋戦争前後の歴史でひとつ疑問がある。戦後、ほぼ無理やりに東京裁判で「俘虜の扱い」による戦争犯罪が定義された。侵略による罪は定義から矛盾している。ちなみに、ベトナム戦争時代の北ベトナム東京裁判の定義を逆手にとった俘虜の扱いをして国際的に認めさせたと聞く。東京裁判で定義された俘虜の扱いに問題のあった戦争犯罪人は、ハーグ条約の扱いから外すとベトコン政府は主張したと。

いずれにせよ、本書の古海氏に限らずソ連の俘虜の取り扱いに関する条約違反、戦争犯罪は明々白々であろう。まだ平和条約も結ばれていないのだから、まだ一人でも二人でも拘留者が生きてる間に訴えを起こしてはどうだろうか?

かのNHKの編んだ「留用された日本人」にすらソ連軍の明白な条約違反、ポツダム宣言違反について記述している。