増加し続ける高齢者をどうするか。事業構築の試みが続いている。
介護にたずさわる仕事をしている知人が「苦労に苦労を重ねて、現在の環境でも持続可能なひとつのモデルを作ると、お役人が来てはしごを外して、ぎたぎたにして、火にくべてしまう」と嘆いていた。
「福祉」で利益をあげることは禁忌なのだろうか?
市場で生活を立てている者にとって利益があがる事業というものは、人々の支持があるという「信号」に見える。ひとつひとつの商談、契約が、社会全体の価格とコストのバランス調整をしている。利益があがるとは、そのバランスが取れているという信号だ。ハイエクのハチミツが流れていく先だ。
藻谷さんも強く主張されていたが、増え続ける高齢者の面倒をいかにローコストでみるかは、国家予算が破綻するかしないかの今後の大きな課題だ。ある近隣の市では、05年から15年までで75才以上人口が倍増するという。75才以上の多くが障害を抱え、介護が必要な状態になる。団塊の世代の老後を支え続けたら、国富、国力がからっぽになっていたではしゃれにならない。
- 作者:藻谷 浩介
- 発売日: 2010/06/11
- メディア: 新書