今日はある研修に参加した。その中で、「礼儀」の起源についてディスカッションした。「礼儀」は、ヒトが人になったときからあったと。長い爪も、鋭い牙も、毛皮すらない人には、なければならかなかったものだと。人が集団を築いたときから、争いを避けるために「礼儀」が必要であったと。
ここで「礼儀」とは、「相手とのコミュニケーション(交換)可能で、争いをさけることができるしぐさ、言葉など」ととりあえず定義しておく。
「繁栄」の中でネアンデルタール人は「分業」できなかったが、クロマニヨン人は「分業」できたという話しがあった。
- 作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: 単行本
- 購入: 10人 クリック: 173回
- この商品を含むブログ (57件) を見る
- 作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: 単行本
- 購入: 6人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (31件) を見る
争いを避けるために発生した「礼儀」が互いに尊重し合うことに発展し、「分業」を可能にしたのだと私は信じる。
比較優位の応用
比較優位 - Wikipedia
比較優位の考え方は、国際分業に留まらず、国内間や労働者間などの分業一般に応用できる。
例えば、有能な政治家と、その秘書がいる。仮に政治家は政治活動も秘書業務もどちらも秘書より早くできる(絶対優位)としても、政治家は政治活動に専念すべきである。政治家が秘書業務を(秘書業務に比較優位がある)秘書に任せることによって、全体としての効率の改善が図られるからである。
「礼儀」の発生の時から、人の生産性の向上とは比較優位=分業以外にない。分業して、専門性を高める以外にどのような生産性向上の方法を人は発見できたか?冷静に考えてみると、ない。
このことをもって、「礼儀」とは人類最初にして最大の発明であると結論づけるのは早急だろうか?
■参照
ずいぶん昔に書いたこのエントリーの「呪術」の部分をようやく解き明かせた気持ちだ。呪術ではなく、比較優位にすぎなかったのだと。