今日の昼間は新盆見舞いであちこちに行った。
お葬式、結婚、そして新盆見舞いとか、古い街にいると、仮払い、借受勘定だってつくづく感じる。売上なり、利益として受け取ってはいけない。受ける方は、毎回かなり詳細な大福帳つうか、記録をつける。そして、いただいた方で葬儀や、結婚式があったときは、いただいた香典やら、ご祝儀を参考にいくらつつむか決める。つまりは、かなりの金額が宙に浮いたままなんねんも年つきを重ねることになる。
逆にいえば、借受/仮払い勘定がその街にどれくらいあるのかは、そのままソーシャルキャピタルだと言える。共有地の悲劇は、数代に渡ってのやり取りの中では、なかなか破ることはできない。下手なことをすれば、自分だけでなく子々孫々まであのうちは義理をはたさないと悪口を言われる。ちょうど、漱石の「こころ」を読んでいて、語り手の大卒の男が故郷に帰って年老いた父、母と対話する場面を読んでいるのだが、この辺の感覚は私の地元では明治から、いや、下手すると江戸時代から変わらない。
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/03
- メディア: 文庫
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