HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「ブッッダ」は愛の物語

あまりに端的であまりに熱烈な愛の物語がいっぱいつまっていた。

映画「手塚治虫のブッダ-赤い砂漠よ!美しく-」オフィシャルサイト

映画として非常によくできていたと思う。声優陣も充実しているし、絵もとてもきれいだった。物語も非常にうまく構成されていた。それでも、やっぱり際立つのは、手塚治虫がいかに端的な物語を描ききっていたかだ。親子の愛、男女の愛、真理への愛、名誉への愛、冨への愛。人はさまざまな愛にとらわれている。その愛のために時に自己をさしだすことすらある。障害にこばまれ燃え上がる愛もある。愛故に自分の身を滅ぼすこともある。これらの愛をここまで見事にあらたな説話として構成していた手塚治虫のすばらしさに感銘を受けた。何度も泣いてしまった。