HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

貨幣がもたらす自由と徳

第二章まで来た。安冨先生の宝刀、「ハラスメント」がきらりとひかって、網野歴史学を切っている。

経済学の船出 ―創発の海へ

経済学の船出 ―創発の海へ

貨幣を持つものが有徳であるとか、貨幣に束縛されるとか、アダム・スミスを思い出させる。近代経済学の祖といえるアダム・スミスは、金銭への執着は金の希少性にごまかされた迷妄だと断定したそうだ。

シュベルマーの話しが大変面白かった。

1942年東プロイセン生まれ。第二次世界大戦の終結間際、家族とともに西側へ逃亡。大学卒業後、1965年にキールの小中学校の 教師となるが辞職後1982年、リューネブルクへ移り、心理学と社会学を学ぶ。形態療法士の資格をとり、ドルトムントに診療所を 構える。

1994年「ギブ・アンド・テイク・センター」を創立し、2年後に自分の所有物を手放す。それ以来、現在にいたるまでお金なしの生 活を続けている。

お金の必要のない社会をつくる。自分の得意なことで奉仕し、その見返りに他の人から奉仕を受ける。それは物でも、サービス でもいい。そういう社会をつくるため、彼女は「ギブ・アンド・テイク・センター」を創立した。さらに、お金を使わない生活を 実験するため、留守番サービスを始めた。

いろいろな家に一週間から数ヶ月そのうちに住み込んで、動物の世話、老人の世話、あるいは植物の世話をする。その代わり、食糧 費は負担してもらう。それにより本人は家、家財道具等は全て処分してしまった。なかなか面白い生き方を実験している著者の ドキュメント。著者のユニークな生き方に興味を覚えた。

『食費はただ、家賃も0円!お金なしで生きるなんてホントは簡単』 ハイデマリー・シュヴェルマー

もうすこし詳しく検証すべきなのだが、あまりに眠いのまでまた目が覚めてからね。