HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「君はスミス君の首を明日切れるか?」

あたりまえのことをど真剣にやれと書いてある。経験にうらうちされた、ひとつひとつの断章に共鳴した。

2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート

2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート

著者の長谷川和𥶡さんはかなりのご経験を現場でされた方なのだろう。よい本をいただいた。

厳しい言葉がならんでいる。

これからの経営者は50%のリストラができなければダメ!

これはいまに始まったことではない。

たぶん小学生のころだから1980年前後だと想う。父親から読めと言われた米国流の経営の本に、社長になるためにはいくつか条件があると書いてあった。ひとつは、「金曜日の夜に風邪を引いて、日曜日には全快し、月曜日には出社する」ことだった。社長であることは、体調をも自分で決められなければならないということだったのだろう。

もうひとつが、タイトルの「君はスミス君の首を明日切れるか?」だった。どれだけ親しくしていても、どれだけまじめに働く男であっても、全体を生かすために必要があれば、特定の社員の首を切れなければ社長の資格はないというのだ。ずいぶん米国流だなと想ったのを覚えている。

めぐりめぐって、日本もちょうど米国の70年代のようなぐだぐだの状態をくぐっているのだと改めて実感する。

社員をいかに守るかは、難しい課題だとつくづく感じる。基本的には、どのような状態でもひとりの首も切らずに経営するのが正解だといまでも信じている。