HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

建築屋の孤独

そういえば、「テルマエ・ロマエ」について書いていなかった。

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

仕事がらルシウスの見になって読んでしまう。建築屋というのは、顧客の要望を、いかに与えられた予算や工期、立地などの条件の中で満たすかを常に考えている。段取りや、打ち合わせ、調整なども、数限りなくある。畢竟、そのしわよせは家庭にいく。得てして孤独だ。

なにせルシウスではないが、家族と一緒に食事にいっても、アプローチの坂の勾配はこれで適切かどうか、レストランで使われている仕上げ材は今度の店舗に会うかどうかだとか、机の配置はこれでいいか単価はどうか回転はどうか、生活のすべてが仕事に結びついているので、ついつい考え込んでしまう。

そもそも、忙しい仕事になるとなかなかまともな時間に家に変えられない。さすがに現代では、エルサレムに行ったルシウスのように3年も家をあけることはなくとも、一週間くらい子どもの顔をみれないことなど日常茶飯事だ。

なかなか報われない商売だ。だが、やりがいはある。