モデルといっても、指輪のCMに出てくる「手モデル」や、村上春樹の小説に出てくる「耳モデル」のように、手がきれいだとか、耳が特殊だとかいう話ではない。社会物理学的なエクセル上での人間行動のモデルだ。*1
人種差別や、戦争、友と敵モデルみたいのの手前に、劇場での拍手が自己組織化現象だみたいな話が「人は原子」に載っていた。ので、エクセルでシミュレーションできないかトライしてみた。最初はセルの発火の合計がそのセルの閾値より大きければそのセルが発火(1)し、下だと停止(0)としてやってみたがなかなかうまくいかなった。
よく考えているうちに、人は人の行動を模倣するという原則を思い出した。そこで、ほかの人(セル)が拍手を始めれば拍手を始め、やめればやめるという行動をセルに仕込んでやったら、なんとか形になった。時間的に拍手をする(発火する)セルの増減数と閾値を比べるようにした。実際、人は実際の量よりも、差分の方の感覚の方がするどい。「エクセルで学ぶ社会物理学」の出版に一歩近づけたかもしれない。
人は原子、世界は物理法則で動く―社会物理学で読み解く人間行動
- 作者: マークブキャナン,Mark Buchanan,阪本芳久
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 2009/06
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 51回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
https://spreadsheets.google.com/ccc?key=0AgLECJ_GIXPwdFplUVVHb3lMMVhOZ1ExMlZ0SWJ6cnc&hl=ja
グラフの形状からいえば、S字カーブでも、べき分布でもなさげ。
ちなみに、それぞれのセルにはこのような式が入っている。
=if($Z10-$Z9+(rand()-.5)*$B$4>B$2,1,if($Z10-$Z9+(rand()-.5)*$B$4<=B$3,0,B10))
これは、こう読む。
前の前のプロセス(単位時間)よりも前のプロセスの方が拍手をする人(セル)が開始の閾値よりも増えていれば、自分も拍手をする。逆に、終了の閾値よりも減っていれば拍手をやめる。フィルターとして一様乱数を加えられるようにしてある。
各セルの閾値は右に行くほど大きくなるため、右に行くほど始めやすくやめやすいとういことになる。
本書にあるように、人は人の行動を模倣するという法則をセルに組み込んだと解釈することができる。
当たり前だが、乱数を入れてやると、拍手が起こっては消え、また、拍手が起こり、そして、消えるパターンが出てくる。
https://spreadsheets.google.com/ccc?key=0AgLECJ_GIXPwdFplUVVHb3lMMVhOZ1ExMlZ0SWJ6cnc&hl=ja
ここから果たして人種差別モデルまでエクセルで進化させられるか。
*1:いま気がついたんだが、エクセル、エクセルと連呼しているけど、Google Docsなんだよね、モデル作ったの。