昨日は、前原国土交通大臣の発言で大騒ぎだった。
基本的に、前原さんはハブ空港の意味すらわかっていないのではないだろうか。「ハブ空港」とはどちらかというと「乗り換え空港」という意味であり、首都との距離はあまり関係ない。
航空機・整備場・要員などの効率的な使用や乗客・貨物の効率的な輸送を可能とするため、多くの路線をもつほとんどの航空会社はどこかにハブ空港を持っている。また航空会社によっては、ハブ空港ではないがハブ空港の機能を果たす空港を準ハブ空港 (secondary hub) と位置づけているところもある。
間違いだらけのハブ空港論:東雲の独語:So-netブログ
羽田にそんなに整備場、格納庫を増やす土地があったっけ?
米軍の横田空域にはばまれ、かつ首都という事故、落下物が全く許されない場所にある羽田に乗り換えだけが増えるハブ空港の機能を担わせるのは全く間違いではないか?国会議事堂の屋根を突き破って氷の塊がおちてくるのも歓迎だと言うなら別だが。国内線から国際線の乗継をよくするために、羽田をハブにしたいのなら、成田への国内便を増やすべきだ。逆に海外の航空会社は成田をすでにアジア諸国へのハブ空港として利用している。
成田空港と同い年の私にもうひとこと言わせてくれ - HPO機密日誌
ユナイテッドは中国への直行便を増やしたり、ANAのアジア便への接続に力点を移しつつあるように思える。が、ノースウェストは一時はハブをソウルに移そうとしたり、デトロイト北京直行を作ったりにも拘わらず、結局成田ハブに回帰している。結局、地理的に北米からのアジアのゲートウェイとして地勢的に優れているだけではなく、膨大なビジネス需要を抱える東京をハブにするのが経済合理性が高いのである。
間違いだらけのハブ空港論:東雲の独語:So-netブログ
とはいえ、民主党に政権が移ればこういうことを言う出すことは十分に予測できた。ま、選挙はひとつの革命であり、権力の意思なのだと実感。
ただし、国際線が羽田に流れざるをえないという流れは認めざるを得ない。これは既定の流れで進んでいることだ。
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あ、そうそう、ブログだから言い捨ててしまえば、世界中の航空機が空域に近づくことを米軍は決して歓迎しないであろう。この前原発言も米国ではoffensiveにとらえられるのではないか?
■参照
矛盾して聞こえるかもしれないが、おおむね同意。
■その後
前原誠司国土交通相は14日夕、羽田空港の見直しについて「24時間国際空港化を進める。成田空港と一体運営していく」と述べた。千葉県の森田健作知事と会談した後、国交省内で記者団に語った。羽田は国内線、成田は国際線という役割分担についても「(成田が国際線の中心である状況は)変わらない」として、維持する考えを示唆した。「羽田を国際ハブ空港にする」との前日までの発言は大幅にトーンダウンした格好だ。 (17:27)
国交相、国際線は成田中心「変わらず」 発言トーンダウン @ NIKKEI NET