HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

女心と非線形方程式

先日、人に青空文庫を紹介するのにケータイからぐぐってみたら、ファイルをダウンロードしなくとも青空文庫収録の文書を読めるサイトを発見した。

これが実に読みやすい。よし、じゃ、一作品まるまる携帯で読んでやれと。あいうえお順にならんでいるので、「あ」行の作家の「あ」ではじまる作品ということで「或る女」を選んだ。

ほかにも芥川とかいろいろ選択肢はあったろうに、よりによって最悪の選択だったようだ。有島武郎はひどく私の気を滅入らせる。*1滅入らせるけれども、読み始めたら、読まずにいられない気持ちになってしまった。ほとんど、意地で読みつづけている。

特に前半では、女心があまりにあっけなく動いていく様が残酷なほど克明に描かれている。女性たちはこれをどう読んでいるのだろうか?その振幅が激しいとはいえ、多かれ少なかれ、共感をしているのだろうか?そもそも、こうした女性に共感できる有島武郎は相当な女たらしであったに違いない、などと妄想をふくらませてしまう。

主人公の女性のこころの動きをみていると、自分がありすぎるのだなとつくづく感じる。自分の影が相手に写っているだけなのに、その影にまた反応してしまう。そして、その影に反応して、相手もまたこころに波風がたつ。この合わせ鏡のようなこころの動きは、典型的な非線形方程式ではないだろうか?

女心を数学的に解析するのは私の手にあまるが、「或る女」の女主人公は、捕食動物と被食動物を同じ胸の中に飼っているようなものなのだろう。

いや、ま、ほとんど冗談なんだけど。そういえば、こういう気性の人っているなぁ。

■パラメーター調整

あんな巨大な非線形システムに、モデルとしての価値があるとは思えません。四六時中パラメターをいじって実測地にフィットさせていかないといけないはずで、もしそうだとすると、非線形科学の感覚からすれば、意味が感じられません。

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女心も同様かなと。男の中で、いくらシミュレーターを構築しても、バタフライ効果でパラメーターの調整がつかないのでしょうな。あと、あの、安冨先生の「ハラスメント」の刃が相手と自分の両方に向いてしまう状態なのでしょうね。*2

■携帯も立派なブックリーダーじゃん

つらかったけど、ちゃんと読み終わりましたぜ。

まだ紙にせまる使用のしやすさはないようです。ですが、必ず改善されていき問題は解消されるでしょう。

はてなダイアリー

視覚上の角度ってのがあって、網膜の上に像を結ぶ時の大きさが問題。ようは距離と画面の大きさなんだよね。携帯って画面小さいけど、かなり手前に持ってきて読めるから、案外感情移入しやすい。逆にモニターのサイズと距離ってなぜか感情移入できないんだよね。

*1:しかも、誕生日が私と一日違い!有島武郎 - Wikipedia フランク・ロイド・ライト以来の偶然!

*2:この記事は男性である私の目から見て書いたものにすぎない。男女同権の世の中でもあり、女心を男心、男性を女性、女性を男性に読み替えて読んでいただいてもまったく差支えない。