三宅理一先生のお話を伺う機会があった。東欧や、エチオピアなどで栄えた中世修道院の補修をされたご経験に基づくお話だった。今後、人口が減少していく日本の将来を考える上でとても大切なヒントが隠れている気がした。
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復元されたフレスコ画が美しい。
「壁画の文法」、イコノグラフィーにも興味をもった。
エチオピアの修道院の修復も手がけられていると言う。
「エチオピアは、経済的には苦しいが、キリスト教国で国民の精神性は高い。」と繰り返しおっしゃっていた。「岩窟修道院」といわれる岩山をくりぬいて作った修道院の建築技術は1000年前にまで遡るのだという。過ぎ去ってしまった時間は二度と帰ってこない。しかし、確かな技術によって作られた建築物には、確かな手の記憶がある。
文明としては衰退しても、残るのもがあるのだと。日本が文明として衰退したとし、何が残せるだろうか。
三宅先生の保存、修復の技術は建築空間に残された過去の時間の記憶を呼び覚ます仕事なのだ。