HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「風の谷」は「砂の惑星」だ

テレビ版の「デューン」を見て、「風の谷のナウシカ」そのものだと気付いた。

風の谷のナウシカ [DVD]

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「砂漠」あるいは「森」での、「マスク」という生きるための人の技術の象徴がなければ訪れる「死」。ふたつの「虫」とその産物が暗示するもの先を予見する力。予知能力をもちながらも運命に絡めとられるポールとナウシカ。すべての破滅をしりながらの選択と決断する。決断に伴う死、死、死、死。

構造的に全く同じだ。フェイドとクシャナ。皇帝とトルメキア王。フルメンと森の人。ジェシカとジル+ユパ。教母と谷の老婆。いくらでもあげられる。*1

これは両方の作品の価値を下げるものではない。ただ、ハーバートはアラブ世界からインスピレーションを受け、宮崎はさまざまな文学作品からインスピレーションを受け、いずれも普遍的作品、世界観をつむぎだした。

*1:未来を扱いながら思考機械、コンピューターがないというのも共通点だ。叙事詩的に未来を語るにはコンピューターは余計な存在なのだろう。