HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

マイクロトレンドに関するメモ

別な本を読み始めるとかなり感動した内容でもすっかり忘れてしまう。昨日読み終わったばかりなのに、このエントリーを書き始める今あたまになにものこっていない。なんつう・・・。

マイクロトレンド―世の中を動かす1%の人びと

マイクロトレンド―世の中を動かす1%の人びと

■年をとっても働いてもらう

なるほどと思った。

しかし、働く定年退職者がもっとも大きな意味を持つのは、社会保障制度の崩壊に関する過去10年の予測が、基本的にすべて間違っていたということだ。定年退職者が仕事を続けることで、現実には労働者1人で10人の退職者を養うという事態は起こらなくなる。

前のブログを投げ出した一つの理由がいろいろ考えたり、シミュレーションしたりしたことの結論があまりにも暗い未来につながり、私の倫理感に反する結論に達したことだった。

もし現実に敷衍することが許されるのならば、現在進行している少子化の原因は、高齢者がのさばっていて若年層が子をなす余裕と空間を持たないということに起因しているということだ。

寿命が長くなると絶滅しやすくなる? Population Simulator II: HPO:個人的な意見 ココログ版

あまりにもあたりまえのことだが、寿命が延びているのだから働ける限り働いていただくのが大切だということだ。そういえば、ずいぶんまえから私の会社では定年年齢がほとんど意味を持っていない。60をすぎても、70をすぎても働きたい方には働いていただいている。頭で考えることの方が遅れているのかもしれない。


■若いうちから働いてもらう

逆の方向も米国だと盛んらしい。

こうしたビジネスには莫大な利益を生み出すものもある。「ヤングビズ・マガジン」誌によると、2001年には8〜18歳の企業家の上位100人で、総額700万ドル[約7億円]の収益を稼ぎ出している。

溜息が出てしまうのだが、日本でもバイトでなく起業の方が自分の稼ぎになることを若い日に覚えることは大切ではないだろうか?起業するのにネットがあるからスタートアップの費用がかからないというようなことも書いてあったが、日本でこの好環境を生かしている10代は何人いるのだろうか?ま、ひとごとでなく自分のことでいえば子どもたちにできるだけ私の職場や、知人の会社を見せるように最近こころがけている。あまり子どもを隔離しようとすることは、子どもをだめにすることではないだろうか?どうも子どもを家族から離れる経験をさせればさせるほど強くなるように感じる。それに、親にできることは子どもの育つ環境を整えることだけだ。


■考える力はどこでも育つ

うんとタイトルがいまいちなんだけど、所得や社会的クラスと、教養とか知識のレベルは比例しないという指摘はブログ界隈を見ていて実にそのとおりだと思う。

いわゆるアメリカ大衆の教育水準はかつてないほど高く、問題意識も高い。

昔、ブログでフランシス・フクヤマについての情報を集めていた時、一番まとまったホームページを作ってらっしゃる方は、ほかの部分の内容を見る限りフリーターさんだった。

■参照リンク
・『歴史の終わり』メモ by (仮称)メモ置き場さん

始まりの戦いと歴史の終り: HPO:個人的な意見 ココログ版

ご自身で夜中にレジをたたきながら、いま対応しているお客はフクヤマなんか聞いたこともないんだろうなと想像することがあるとか書かれていた。残念ながらすでにリンクの先のメモは見つからない。キャッシュにも残っていないようだ。

いずれにせよこれはすごいことなのだ。ネットにつながる手段を持っている人々は最新のニュースでも、ギリシアの美術でも、ニューヨークのラップでも、かなり広範囲の光学的な知見でもアクセスできる。知識のコモディティ化は我々をどこにつれていくのだろうか?


■富裕層と貧困層の時間の余裕の逆転

やっぱり、そうなんだ!

私(監修者の三浦展さん)の行った「富裕層ライフスタイル調査」によれば、富裕層の79%は経済的ゆとりに満足しているが、38%は時間的ゆとりに不満を持っている。彼らは忙しく働いて対価を得ているのであり、金利土地代だけで暮らす有閑階級ではないのだ。

ほぼ直感だけで書いたエントリーだったが、調査をしても裏付けられうるのだね。

考えてみると、私の周りのいわゆる富裕層な方はみんな忙しげ。

いわゆる富裕層と貧困層の間で時間の余裕が逆になっている件 - HPO:機密日誌

これについてはこれ以上なにも言うことはない。嗚呼って感じ。


■これはすごいビジネスチャンスかも!

って、ネット上で書いちゃった瞬間にコモディティー化しちゃうかな?(笑)

私(再び監修者の三浦展さん)が行った「母親調査」によると、「住宅にもしこんなことが可能なら」という条件付だが、「子どもが勉強好きになる」住宅があったら重視するという回答が86%に上った。

これは案外可能かもしれないというのが私の実感。ちょっとこれはいただいちゃうかも。


■そんなこんなで見えてくるのは?

気になった部分を抜き書きして自分の感想を添えただけだが、これを読んでいると案外明るい未来が描けそうな気がしてくるのは私だけだろうか?健康な年寄りは働き続けることでますます健康になり、若い世代には企業家精神と商売の楽しさが身に付き、生涯にわたって学習しつづける条件はいまほど整ったことはなく、仮に金持ちになれなくとも時間的なゆとりは富裕層以上だぜといばれる社会になっているわけだし、人口が減少すれば広くて安い住宅に住むチャンスは増大する。いい家に住めばいい子どもも育つから、次の世代もますます幸せになる。

そんなに暗いことばかり考えることないよ!と言いたくなってこない?ン?