HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

デリバティブバブル崩壊を予言した書

私のために書かれた本だ。tangkai-hatiさん、ありがとうございます。

デリバティブバブルの崩壊はやってくるのかもしれないと考えると、とても背筋がさむいのだが、著者のおっしゃることが正しければいまのサブプライムに端を発する経済危機はまだ序の口だということになる。ちなみに本書は2005年に発行された。この当時ですでに石油などの天然資源は常識を超えて価格が上昇しているといわれていたのだね。

しかし、どんなバブルも「はじめる時」は、かならずやってくる。
それは世の中の厳然たる法則である。デリバティブ・バブルが早晩はじけて、極論すれば国債も紙幣もタダの紙切れ同然になる時代が2000年代の初頭(2005年から2010年)であることは、もう間違いない。

Amazon.co.jp: マネーの精神!―“心の座標軸”で読む人類の未来: 本間 裕: 本

著者の計算によれば、デリバティブによる信用創造で2京6000兆円にまで「マネー」が膨れているのだという。信用創造の源流をたどるとおなじみの17世紀のゴールドスミスの話につながるようで、本書にも登場していた。


これはすごい。あまりにすごい。

Money_As_Debt 「お金の正体」 - HPO:機密日誌

*1
ああ、そういえば東京ブロガーコンフェランスも2005年でありました。

と、そのとき切込隊長さんがひまそげにしているのを発見!強襲!

「やはりですね、『”俺様国家”中国の大経済』じゃないですけど、今って(市場が発達しているから)世界中からお金が簡単にあっというまに集まっちゃうじゃないですか。中国も投資のお金でGDPががんがん膨らんでいる感じがするし、一方で中国の奥地では物々交換されているとかうわさあるし。んで、日本円がいっぱいたまってもそれで何を買えるかが問題なんじゃないすか?いっぱいたまっちまったお金が一気に価値を失うことってありなんじゃないすか?やっぱり円の総体の価値って円を使っている人が円の価値を決めるんじゃないんすか?」

横から、danさんが「そうそう、『京』くらいの単位の円があってもおかしくない。」【あれ、ちょっと趣旨が違うような...酔っ払っていて覚えていない...orz】と合いの手を入れてくれたにもかかわらず、切込隊長さんに「君は全然経済がわかってないよ。市場っつうのは期待でできているんだ。」といわれて撃沈!

そっか、そうだよね。お金って紙切れでかまわないわけだ。安冨先生のおっしゃるとおり「他人がほしがるもの、人が価値を認めるもの」でありさえすれば、貝殻でも、石でも、単なるシリアルナンバーでも、数ビットの情報でも、何でも貨幣の代わりになるわけだ。要は、市場という人々の期待の塊りの中で取引される価値がすべてなのだね。うーん。

東京ブロガーカンファレンス 雑感 tokio blogger conference: HPO:個人的な意見 ココログ版

著者によれば「数ビットの情報」がお金になっているので、「輸送(送金)コスト」が著しく下がってしまったことがデリバティブ・バブルの原因のひとつだという。「情報」をお金だと信じているところ、つまりは「たらいの中のくじら」になってしまうということか?

たらいの中のくじら - HPO:機密日誌

私自身は2005年からまったく思考が進歩させられていないのだけれど、著者の本間さんはこのサブプライム問題の先に来るかもしれない信用の大収縮を見つめていらっしゃるように思える。

 「2007年12月25日付けの日経新聞」によると、「世界のデリバティブ残高が、急増している」とのことである。具体的には、「2007年の9月末」で、「681兆ドル(7京7600兆円)」にまで増え、なんと、「3ヶ月間」で、「1京6000兆円以上もの増加をしている」そうだ。しかも、「金利に関連するデリバティブ」が急増したことにより、「サブ・プライムローンの損失」をカバーした可能性もあるようだが、このことは、「最後の悪あがき」とでも呼ぶべき行動ではないかと考えている。

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フラクタルについては、本書の中で触れられてはいるが正規分布の変わりにべき分布でとまでは書いていない。「陰と陽の経済学」につながるような循環的な歴史観も披露されているが、「SYNC」とはまた違う。

世界経済の緊急のリスクは、米国の住宅ハブルが崩壊した後世界経済を牽引する需要が足りないということだ。中国の経済も不動産ん伸びなどによりGDPの牽引を除けば、米国の需要に負っているということは、本書の指摘の通りだと私も思う。

陰と陽の経済学 [これは面白い] - HPO:機密日誌

■参照

おっしゃるとおり。

今回も、おそらく歴史はハイエクが正しいことを証明するだろう。「自然率」は人々の心理によって決まるもので、政府がコントロールできないからだ。

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*1:そういえば、ついさっき「ゴールドフィンガー」を見た。