HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

いやこいつはほんものだ

べき乗則をきちんと理解している。非常に興味が重なるのがうれしい。

投資の科学 あなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い

投資の科学 あなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い

まだ数十ページしか読んでいないが「儲けようとしないことが儲るコツだ」という結論になるのでないか?やはり「やわらかい制御」なのでは?

この前書きの最初の部分だけでもかなりエキサイティングだ。

『ザ・コンシリエント・オブザーバー』のアイデアが浮かんだ瞬間を、私は今でも克明に覚えている。逸れは、2000年の夏、妻の祖父が私に、タイガー・ウッズのゴルフスイング改造について特集したタイム誌を手渡したときである。記事の中の「フィットネス・ランドスケープ(適応度地形)」という言葉が私の心を捉えて話さなかった。フィットネス・ランドスケープとは、生物学者が生物の進化を説明するために作った概念である(ちなみにゴルフコースとはほとんど関係がない)。確かに、タイガーが(更なる成長を目指して)スイング改造に取り組んだ理由を理解しようとするなら、フィットネスランドスケープこそが重要なキーワードになるように思えた。

多分、その頃、タイガー・ウッズはたこつぼにはまっていたのだろう。そのあまりのはまり方をフィットネス・ランドスケープの概念を遣って説明していた記事に違いない。

意外なことに並行して読んだスチュワート・カウフマンの「自己組織化と進化の論理」と本書がいくつかの視点を共有していることに気づいた。結論から先に言ってしまえば、本書で言う「無能(incompetence)」とはカウフマンの言う適応度地形におけ局所的適応という丘に登りきってしまった状態なのだと言えるのではないだろうか。

[書評]ピーターの法則 peter revolution: HPO:個人的な意見 ココログ版

あ、違う。正反対だったんだ。

2000年のタイガーは、正に他を寄せ付けない強さがありました。

タイガー・ウッズの試合データ分析 (タイガー・ウッズ豆辞典)

モーブッシン自身がFinencial Timesに書いてエッセーの残骸はあるけど、その記事そのものにはたどり着けなかった。

ので、代わりに...

Think of climbing a mountain: you try to scale a local peak. When you get to the top, you might see a new peak which could even require you to descend, move to the new base and then climb again. Tiger Woods did this years ago to perfect his swing so did IBM.

Explore Your Possibilities: Chemical Nano Engineering

試訳
「山登りを例にしましょう。今、あなたは目の前の(局所的な)頂をよじのぼろうとしています。その山を登って、頂上に立ったとき、別な(より高い)頂上が見えてくるかもしれません。新たな頂に登るためには、(今登ったばかりの)山を一旦降り、新たな足場を確保して、また登りはじめなければなりません。タイガー・ウッズは、彼のスイングを完璧にするために何年か前に一旦「山」を降りました。IBMもそうしました。」