HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

アベノミクスの負の側面

予想されていたこととはいえ、中小企業にはどうも厳しい状況になってきているらしい。円安、株高、オリンピックのアベノミクス三兄弟で、潤うセクターは潤ってきている。忙しくて、忙しくてしょうがないという企業もたくさんある。しかし、コストアップになってはいても、最終価格に転嫁できないくらいの競争力しかないセクターの企業もまた多く存在する。結構、方々から話を聞いたが、中小企業レベルではみな同じ事を言っている。ひとごとではない。

結局、日本においては経済が網の目状に高密度に商品を供給している。よって、どんな商品でも常に代替品が存在する。たとえば、マクドナルドの敵はもはや外食産業ではなくコンビニとなってしまった。代替がたくさん存在する市場では、「じゃべつの選択肢があるから、そっちいくよ」となってしまい、価格転嫁できない。価格転嫁すれば、別の企業、別の業態に消費者は移動してしまう。代替はないという商品は、大概既存勢力が押さえてしまっている。

アベノミクスというシャンパンタワーの上の方に位置する方々がお腹いっぱいになってくれば、1、2年の内には下々の企業まで恩恵が行き渡ってくるかもしれないが、コストアップが継続し、消費税があがれば、中小、零細企業はかなり厳しい状況に直面するのではないだろうか?場合によっては、地方からはいくつかの産業が消えるかもしれない。

ま、代替なんてないよ、あんたのところしかないよ、と言っていただける企業であるかどうかが生命線なのだろうと。

なかなか悩ましい。


■追記

めずらしくブックマークがついた。「為にする批判」だとあったが、私が言いたかったのは、コストアップと商品価格転嫁のタイミングの差が業界、業界内階層によって違うので、留意が必要だということを、個人的体験をぼかしていれながら書いたつもりだった。コストアップと価格転嫁のタイミングは、競争企業の存在だけでなく、代替品がどれだけ存在するかでも大きく違うと。そのタイミング差が場合によって、地方の産業セクターによっては致命的になりうると。

自分の文章力のなさを反省する。