HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

中年人生は甘苦人生

以前、娘に「まだお前にはビールとか、コーヒーのにがみのうまさはわからないな」とつっこんだところ、「お父さん、それは違います。実験によると子どもの方が味覚がすぐれているのだそうです。年を取るにつれて、苦みを感じる味蕾が退化するので苦さと甘さのまじった味をおいしいと感じるようになるだけですよ。お父さんも、中年になったということですね」とやりかえされた。

調べてみるとどうも娘のいうことがどうも正しいらしい。

葉状乳頭(舌の両側部に多い、成人では退化)

(中略)

味覚閾値としては中学生頃が最も低く(つまり味に対して鋭敏である)、幼児・学童、成人、高齢者の順で高くなっていく。

味覚 - Wikipedia

記憶にすぎないが、ずいぶん以前にid:finalventさんが「中年になると自然に女性を性的に満足させられるようになる」とおっしゃっていた。ブログを始めてすでに10年目。たぶん、当時のfinalventさんの年齢に私も到達したのではないかと。そして、その意味がいまならわかる。

「満足させられる」のは、苦みの「閾値」と同じで、性的な体験も逆に感覚が「退化」しているからだと。味覚も退化したからこそ、甘さだけでなく苦さをうまさと感じる。性的な体験も同じ。性的な体験の甘さだけでなく苦さをうまさと感じるようになったので、女性を満足させられるようになったのではないだろうか。

そして、退化した分、性的な体験も肉体だけのものだけではなくなっていく。

あのとき、わたしを抱いてくれる男が欲しいと思った。性の欲望では無かった。快楽が欲しいのとも違った。ただわたしの人生で欠けているものが、はっきりと見えたのだ。

「やがてすべて無になる」 - HPO:機密日誌

甘苦上海<完結版>

甘苦上海<完結版>

いや、まあ、中年男の勝手な妄想かもしれない。