山火事の発生頻度と規模はべき分布するのだそうだ。
歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
- 作者: マーク・ブキャナン,Mark Buchanan,水谷淳
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/08/25
- メディア: 文庫
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本書によると米国連邦森林火災政策書にはこう書いてあるのだそうだ。
壊滅的な森林火災は、現在何百万エーカーという森林を脅威に陥れている。特に、過去の土地利用や一世紀にわたる火災の抑え込みによって、植生の傾向が変化している地域では深刻である。可燃物の量がこれまでの許容量を超えている場所では、重大で永続的な生態系の悪化が起こる可能性がある。
この前提として、森林火災を抑えようとすればするほど可燃物が森林の間で増え、かつ森林と森林のつながりが密になり、超巨大火災が起こりやすい状態になるのだそうだ。
べき分布の特徴として、べき分布するさまざまな現象においてその本質的な特徴だけが問題であり、枝葉末節には左右されないことが詳細に本書で述べられている。結果として、森林火災を新型インフルエンザと置き換えても、金融危機と置き換えても同じだということになる。つまりは、適切な危機がないと超巨大な危機が訪れる可能性が高くなるのだということだ。
ちなみに、戦争もべき分布することが報告されている。
私は軍事にも数学にも疎いので、何のことやら分かりませんが、「戦争の法則」が解明されたのだそうです。どんな条件が揃うと紛争が起こり、それが大規模な戦争になるのか小規模な小競り合いになるのかが分かるとのこと。英テレグラフ紙の27日づけの記事 "Scientists find 'law of war' that predicts attacks"。
壊れる前に…: 戦争と平和の方程式