昨日観てからTENETのことが頭から離れない。観終わったときには「?」が私の頭の上に飛んでいた。「?」をなんとかしようと、関連するいくつもの作品を観た。結論から言えば、"12 Monkeys"にヒントを得て本作を作成したのだと考える。元から時間の順行、逆行を映画のテーマにしてきたクリストファー・ノーラン監督にすればなにも不思議ではない。
そして、ウェブで調べて読んだブログに"La Jetée"との関連性が指摘されていた。これはいわずもがなの未来から送り込まれる人物についての映画であり、冒頭から自分自身の死を目撃する少年というループが仕組まれている。
"La Jetée"?あれ、これはと?思い出したのは"12 Monkeys"(以下、12と略する)。科学者たちにブルース・ウィルス扮するジェームズ・コールが送り込まれ、キャサリン・ライリーという女性精神科医と世界破滅の謎を解いていく映画。
見ると、TENETと12で共通するキーワードがたくさん。
- 破滅的な未来から過去改変のために人(もの)が送り込まれる
- 過去にそれらを送り込む未来の科学者たちの存在
- 12のキャサリーンとTENETのキャット(キャサリンの愛称)
- 電話の伝言による未来との「通信」
なによりも"La Jetée"でも、12でも、少年が自分の未来と邂逅するという展開がニールによって暗喩されている。
All encounters in life are reunions after long times apart.#Protagoneil #Tenet pic.twitter.com/Nlkbel8gsM
— ritsu (@ritsssu) 2020年9月18日
TENETのラストで、キャットとprotagonistのこの先を描いてほしいと切に願っていたのだが、なんのことはない、十二分に描かれていたのだと。NeilとはMaximilienの最後の4文字を逆さにした名前だと。感涙!
さて、それでも私の中で回収されていないネタがいくつかある。これから何度か映画館に足を運んでよくよく考えたい。
- TENET側へヒントとなる壁や、銃弾を送ったのは誰?自殺した科学者?
- セイトーが未来から金を受け取っているように見える。どうやって?過去から未来へとメッセージを送ることはまだ理解できるとは言え、なぜ未来から過去へ?秘密都市で爆発事故を起こしたプルトニウム241のカプセルにすでに指示があった???
- 「プルトニウム241」だと思って運んでいた勢力は誰?セイトー側ではなく、TENET側でもなく、プリヤ側でもない?国家的な勢力だとすれば、なぜあきらかに放射性物質でないものを「プルトニウム241」だとして運ぶのか?
- ヴェトナムという明らかにオペラハウスよりも前でセイターが死んでいるとすれば、時間軸が改変されてないかと?protagonistの時間軸、主観がすべてでよいのか?されに言えば、ほとんどの場合先先の時間を読み取って行動していたセイトーがなぜ最後の最後でキャットに気を許したのか?
- どうしても最後のTENET作戦、ブルーとレッドの戦闘が解せない。セイターの「軍団」との戦闘なので、両軍ともに順行チーム、逆行チームがあるのはわかるのだが?うーん?
- 秘密都市に埋められようとする「アルゴリズム」がどの時点で作動不可能になったのか、どうもわからない。主観時間とはいえキャットがセイトーを殺す方が先に見えない?
今日はとにかくマックスとprotagonist、そしてキャットの関係性が理解できてもうもうもう感動。