アトキンソン氏のご著書を読んでいる。途中までの勢いを失速してしまった。
- 作者: デービッドアトキンソン,David Atkinson
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2017/07/07
- メディア: 単行本
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一番、「?」だったのは日本の一流ホテルの予約サイトの評価の星を引いて、「だから日本のホテルはだめなんだ」といわんばかりの書きっぷりをされていたところ。世界のホテルの予約サイトもちょっと見てみたが、完璧に5ツ星評価だけがならぶホテルは見当たらなかった。現在のウェブでの評判はさまざまな方が利用されていて、かつ、さまざまな用途のホテルが存在していて、どうしても評判はばらつく。それでも、楽天トラベルに代表されるようなホテルサイドでの評価の平均が高いホテルの方が満足度は相対的に高いのは事実。
日本のインバウンド政策がより欧州、欧米からの集客を目指すべきだというアトキンソン氏のご説には共感するが、個々の提言はあまりに現場をご存知ないまま書かれているのではないだろうか?欧米インバウンド対策の決め手がIRだというのも、実際のIRの現実をご存知ないからなのか、出身母体の投資銀行への配慮なのではとしか思えない。カジノの上得意客、現代の「ハイボーラー」はほぼ明確に欧米人ではない。
まあ、それでも本書が売れているというのは、欧米人をいかに日本のインバウンドに向かわせるかはまだまだ試行錯誤が必要な段階だという証左かもしれない。