HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

Talking HeadsとMoonriders

音楽のことを言葉にするのは難しい。大好きなムーンライダーズについてなかなか言葉にならないでいる。しばらく前に鈴木慶一さんがはてなでブログを書いてたが、ごくごく日常的なことが書かれていた。やはり、音楽と(ブログ界隈での)批評的言語は別物なのだろう。*1

hpo.hatenablog.com

たまたまiTunesのおすすめプレイリストでTalking Headsの"Stop Making Sense"を聞いて、ムーンライダーズに近いものを感じた。

メンバーは名門美術大学ロードアイランド・スクール・オブ・デザインの出身で「インテリバンド」と呼ばれることが多く、初期はパンク・バンドとされていたが、ボーカルのデヴィッド・バーンがアフロ・リズムに傾倒し、それを大胆に楽曲に取り入れるようになると、ポスト・パンクとされるようになった。

トーキング・ヘッズ - Wikipedia

そうそう、「インテリバンド」なのだと思う、ムーンライダーズも。確か鈴木慶一さんと糸井重里さんの対談で「名作小説はもとから家にあった」みたいな話しをしていた。音楽そのものも、歌詞も洗練されつくされている。「俺たちは言葉に命かけてる」とまた、鈴木慶一さんがどこかで語っていた。そして、またその歌の世界は映像的でもある。「言葉」自体はごく普通の言葉なのに、それが連なり、ムーンライダーズの音楽になると焦点を結ぶ。「チョークで書かれたジャック」はまだ私にまぶたの裏に来ている。中年になれば、もう「残したものも、残ったものも」なにもない、ただ生きているだけ、そんな感じ。贈られた「小さな手袋」も、「行為を終えた」ベッドも、まざまざと浮かぶ。「隣の部屋の夫婦」の喧嘩もうるさいまま続いている。そんな「ユウウツ」な感覚がTalking Headsに感じられる。

Psycho killer

I can't seem to face up to the facts
 どうも現実に向き合えそうもないな
I'm tense and nervous and I
Can't relax
 神経が張り詰めていてナーバスになってるし、いつまでたってもそれが収まらない
I can't sleep 'cause my bed's on fire
 ベッドが炎のように燃えて寝られやしねぇぞ
Don't touch me I'm a real live wire
 Iに触れるなよ、Iは生きてる有刺鉄線みたいなものだ

Studio Summer Sky BLOG: talking heads psycho killer 和訳 解説 / 奴隷制維持の秘密

そうそう、iTunesで見つけたトリビュート・アルバムがとても良かった。

*1:あ、失礼、id:suzukikeiichiさん、ちゃんと生きてました。