改めて真面目に見ると、こんなエンターテイメントSF映画ですら、カップル文化至上主義が貫かれている。主役のカップルを始め、その親夫婦のやりとり、男女の愛を貫くことが人生で生き残るすべだと訴えている。
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そりゃ、息苦しくもなる。なるほどと。
アメリカは個人主義だけど、一方で強固なカップル文化/パートナー文化が存在する。 高校のプロムパーティー(卒業パーティー)にカップルで参加してダンスするというのがすでにそれを表しているが、同僚の家でのホームパーティーや会社のクリスマスパーティーなどでも、基本はパートナーを連れて参加することになっている。仕事終わりや休日に出かけるときも、もちろん(恋愛関係にない)同性の友人と遊ぶこともあるが、だいたいはカップルで出かけるのが基本で、社会の最小構成単位は1人ではなく2人組なのである。
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なおかつ、移民であっても忠誠心は米国に捧げよとも読み取れる。ネタバレは避けるが、オートボットと呼ばれる金属生命体、トランスフォーマー達の人間に味方するオプティマス・プライム*1の涙ぐましいばかりの米国への忠誠が不自然に見えてならなかった。ネタバレになるのでやめるが、オートボット達の成り立ちにとっても一番大切なものを犠牲にしてまで、なぜ米国を守らなければならないのか?移民の経験のない私には理解できなかった。移民の国であるがゆえに、どれだけ不自然であっても現在の祖国に対する忠誠心は、不可欠なのだろうと想像するしかない。どれだけ強制されたものであってもだ。
そのほかにも、オスプレイが出てきたり、ヴェテラン(退役兵)を含め、なんでこんなに軍人ばかりがヒーロー視されるのだろうとか、米国文化に圧倒的に裏打ちされた映画シリーズが、トランスフォーマーなのだと今更ながらに気づいた。
*1:なんで地球圏外生命体の名前がラテン語なのか不思議でならない。
http://tfwiki.net/wiki/Optimus_Prime_(G1) :"Optimus" is Latin for "best", therefore his name can be literally translated as "Best First".<<