HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

ヨーロッパとは何か?

Game of Thronesを見ればみるほど、どのような文化と言語がこの物語を生み出したのか、背景を考えたくなる。

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この物語は明らかに現代の地球の過去でも未来でもない。異星に移民した英米人の末裔というSF的な想定も可能かもしれないが、あまり意味を持たない。明らかに英語を使いながら、ヨーロッパの歴史的背景から隔絶した文明を想定できずにいる。大概のファンタジーは、私達が生きる現代文明との前後関係があるか、世界のそここにある神話世界が元になっている。ある意味で隔絶しているのは、「指輪物語」の中つ国(Middle Earth、 Endor)だがこれは言語体型から著者トールキンが創造しており、ひとつの世界として完結している。言語は文化であり、歴史の結実なので、ヨーロッパとイギリスの文化、地理、歴史から中途半端に隔絶した世界観にどうしても違和感を感じ続けている。

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逆に問えば「ヨーロッパとは何か?」となる。私の中では、カエサルとその末裔に寄って統治された西域とその歴史的展開がヨーロッパとなる。初めて多くの文化が併存しながら、言語、宗教、歴史、文化を超えて一人の統治者によって統合された「自由」の伝統を持つ国と人々なのだと思えてならない。

帝政を確立したアウグストゥスに先立つカエサルが、自分の政敵にもローマのコモンセンス、伝統である寛容さを示した上で、あえて護衛もつけずに元老院に登院し、結果として暗殺を受け入れたことは、歴代のローマ皇帝の新たなコモンセンスを生んだのではないだろうか。

そっかいまここで書くべきなんだな 〜保守主義、自由主義とは伝統の尊重、父祖への感謝〜 - HPO機密日誌

カエサルではあまりに古いということであれば、カール大帝だろうか。一応、ヨーロッパの王家の血筋にはカール大帝の血が残っているはず。

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ちょっとGame of Thronesから始めるには大きすぎるテーマだった。機会があれば、まだ本がちゃんと読めるうちに「ローマ人の物語」を読み直してみたいし、ヨーロッパの歴史文化も学んでみたいものだ。