ある方から教えてもらい、一気読み。それ以来、会社の同僚など多くの人に勧めている。

たった1年で利益を10倍にする 建設業のための経営改善バイブル
- 作者: 中西宏一
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/09/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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1年で利益10倍などオーバーな表現を、と多くの人は想うだろう。建設業の多くの会社は経済学の「完全競争」にかなり近い状態に常にある。だいたい、官庁工事を行う建設会社は主要な財務状態、技術者数などを公開しなければならない。大小を問わずにだ。その建設会社が信頼に値するかどうかは、CIICのサイトをぜひ調べてみるべきだと私ですら想う。
よって、企業内部的には、ほぼ常に損益分岐点近くで推移している。もちろん、損益分岐点から落ちてしまえば会社は清算されるしかない。また、銀行も受注残に応じて融資をする。受注がなければ資金が枯渇しかねない。利益と資金のぎりぎりの地点で踏みとどまるには、まず売上げを!と誰でも想う。
ということは、多くの中小零細建設会社は損益分岐点のほんのちょっと右側のぎりぎりの利益しかあげられていないのが実情だ。しかも、いまだに建設会社の数は多すぎる。
本書には、損益分岐点からもう少し右側で経営していくためにはどうしたらいいかが書かれている。タイトルの「利益」とは粗利益10倍でも、付加価値10倍でも、ましてや売上10倍でもなく、経常利益ベースでどう10倍にするかを意味している。そして、実によく基本に忠実に経営改善すれば「1年で10倍」が可能であることを示している。
ぜひ多くの建設会社に本書が読まれ、業界全体が健全化していくことを願ってやまない。