これまで散々、百人一首関連の書籍などをあさってきたがこれほどぐっとくるものを感じる本はなかった。
眠れないほどおもしろい百人一首: あの歌に“驚きのドラマ”あり! (王様文庫)
- 作者: 板野博行
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2013/10/28
- メディア: 文庫
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本書ほど明瞭に「掛詞」などの技法を解説してくれた本はない。文学的素養に乏しいので、あえて引用すらしないが和歌の言葉がこれほど選びにえらびぬかれていたとは驚きであった。私からすれば古事記の世界の素朴な歌が百年あまりでここまで洗練された和歌の世界へと接続していることも脅威。
なによりも、当時の恋人達の息づかいまで聞こえるような和歌のやりとりがなまなましい。恋する気持ちは千年前もいまも変わらない。恋人が去ってしまうのではないか、心変わりしてしまうのではないと案ずる乙女は美しい。