HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「さらば、わが愛/覇王別姫」

美しい映画だった。


Farewell My Concubine (霸王別姬) [Oscar's Best ...

レスリー・チャンの京劇の女形が実にいい。本当に吊り込まれそうだった。ホモセクシュアルな愛情の映画だという偏見を持っていたのが吹き飛んだ。

コン・リーも本当にきれい。「赤いコーリャン」のういういしさとは対照的な「女」を演じきっている。

強いて言えば、この映画はストーリーを追うというよりも北支の清の末の時代、日本軍の支配、国民党の支配、共産党の支配と中国の体制の変遷の中で、中国の伝統文化の華である京劇に生きた役者の姿を描きたかったのではないだろうか?三角関係の愛憎は、確かに映画をするめる原動力にはなっているが、そこだけではない美しさと狂気を感じた。