消費税の影響でGDPが6.8%落ち込んだという記事が相次いだ。
内閣府が13日発表した4~6月のGDPは6.8%減で、東日本大震災があった11年1~3月以来の落ち込みだった。実質成長率がマイナスになったのは2四半期ぶり。
景気、緩やか回復続く 4~6月反動減大きく、7~9月4%成長予測 設備投資増加へ :日本経済新聞
政府の統計を見ると、「実質▲1.7%(年率▲6.8%)」とある。1.7%×4=6.8%という意味なのだろう。
2014(平成 26)年 4-6 月期のGDP成長率(季節調整済前期比)は、1 次速報値において、実質▲1.7%(年率▲6.8%)、名目▲0.1%(年率▲0.4%)となった。実質成長率については 2 四半期ぶり、名目成長率については 7 四半期ぶりのマイナス成長となった。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2014/qe142/pdf/qepoint1421.pdf
成長率でなく実質のGDP額(名目季節調整系列)をグラフにしてみた。ただし、2014年1−3月期まで。
このグラフで見ると、消費税アップ1年前の2012年10−12月期の実額で470兆円(年額)あまり。で、アップ直前の2013年1−3月期で487兆円となる。とすると、(487−470)÷470=3.6%(単位:兆円)となり、いわゆる駆け込み需要が3.6%あまりあったとなる。
ここまで書いて、名目だと2014年4−6月期ではほとんど下がっていないことに気づいた。実質でグラフを書き直してみる。
同じく、駆け込み需要を計算してみると、(535−514)÷514=4.0%となる。同じく、住宅では(155−137)÷137=13%となる。
民間住宅については、実質▲10.3%と 9 四半期ぶりの減少となった。消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動によるとみられる。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2014/qe142/pdf/qepoint1421.pdf
まあ、内閣府の発表に嘘はない。駆け込みで上がった分が、下がったというのにすぎない統計値になる。日銀総裁が「実質賃金下がっていることの大半は消費税の引き上げによる」というのも本当だろう。名目では4−6月期は落ち込んでいないのは事実なのだから。マスメディアの表現はちょっと過剰反応と言えるかもしれない。
それでも、再々消費税引き上げには恐怖を感じている自分がいる。人件費の高騰、有効求人倍率などをみていると「過熱感」があると政府関係者は見るのだろうか?しかし、高騰感があるのは高齢者福祉、医療関係に限られているように思えてならない。真実の意味で日本の成長性、競争力を高める分野に投資が向いているようには思えない。消費税がアップがさらにこの最適な資源配分をゆがめるように思えて成らない。そして、その結果経済が大変落ち込むのではないだろうか?
まあ、素人の床屋談義なのだが。
*1:早く詳細が読みたいのだが、UPDATE記事は存在するのだろうか?