HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

おままごとの喜び

子どもの頃、近所で子ども達みんなで遊んでいてころ、友達の誰だかの妹さんの誘いにのっておままごとにつきあっった。そう、あれは私が小学生の3年だか、4年のころ。他の男子におもいっきりばかりにされた。ちょっとこころの傷だった。

町山 (前略、「愛のコリーダ」で)なぜあの女はチンチンを切り取るほど、吉蔵に恋してしまったのかって。それは、映画を観るとよくわかります。吉蔵は、ぜったい彼女に「ノー」と言わないんですよね。何を言われても。

伊藤 そこ、すごく感動しました。本当になんでも受け入れるんですよね。

町山 阿部定が「◯◯して」って言うと、「はい、はい」って言う。「◯◯しないで」と言っても、「はい、はい」。全部言う通り従う。意志ゼロですよ。これを観ててね、大学時代にすごくモテてた友人のことを思い出しました。彼はまさしく吉蔵みたいな人で、いつもニコニコしてるだけ。自己主張しないんです。

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おままごとってなにかって、思い出すと「お父さん、ごはんたべてね」とか、こうしてほしいっていう役割を女の子の側がちゃんという。で、それにしたがうことなんだなって。ああ、あのころからちゃんと夫婦関係って女の側が主導すればうまくいくってわかってたんだな、女ってすげぇなと。

で、また、逆に言えば、素直に「はい、はい」と言うことを聞く男がいいと、女はちゃんと知っていると。小学生、いや、あの友達の妹は幼稚園生だったか。もうそのころから自分にとって正しい男女交際の在り方とか、夫婦関係の理想とかわかったんだなと。

で、まあ、半世紀近くも生きてるので多少は男女の関係を経験した。その経験を深く自省すれば、大人になってもおままごと遊び、自分の理想の男女関係に「はい」ってつきあってくれる男と女はつきあってほしがってたなと。あ、言葉の反復になっている!ここが真理だな。「つきあう」、「交際する」って、男が女に合わせるってことなんだなと。

なるほど!半世紀生きて、×までつけて人生に真理に目覚めた気分だ。