HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「防共回廊」を読み始める

眠い。内容はあとで。

帝国陸軍 見果てぬ「防共回廊」

帝国陸軍 見果てぬ「防共回廊」

第一章の内容は、主にチベットと戦前から戦中にかけての日本との関わり。現在の日本の外交の在り方を考える上でも示唆するところが大。満州の一部にモンゴル人の領土を含み、モンゴル人はチベット仏教との関係が深い。そして、チベットはインドと中国の間に位置するという悲運から、中国から常に攻められ続けてきた。そして、日本、モンゴル、チベットをつなぐ「回廊」は、旧ソ連と中国を分断しうるインパクトを持っている。

米国に対して日本は、「防共回廊」の始点であると主張すべきであったかもしれない。いや、米国の対日政策もコミンテルンの思惑であったのかもしれないが。

大東亜戦争とスターリンの謀略―戦争と共産主義 (自由選書)

大東亜戦争とスターリンの謀略―戦争と共産主義 (自由選書)

先を急ぎすぎた。

第一章で語られる西川一三の冒険譚がまさにこの「回廊」の在り方を示している。

西川に先んずる、林銑十郎や、松室孝良などの防共思想の系譜が語られる。「東京裁判」を読んだときに、武藤章に対する田中隆吉の不可思議な発言に首をひねったのだが、その遠因が対蒙古、対イスラム圏に対する工作の失敗にあったと知った。

秘録 東京裁判 (中公文庫BIBLIO20世紀)

秘録 東京裁判 (中公文庫BIBLIO20世紀)

ここのところ通読してきた太平洋戦争前後の人物がつながってきているのを感じる。