エルピーダメモリ社が会社更生法の適用を申請したことを衝撃を持って聞いた。残念すぎる。
ものづくりの国を宣言しておきながら技術革新の邪魔ばかり行われてるこの国の矛盾の表出だ。技術革新が停滞すれば、残るマーケティング根本戦略はチープ革命しかない。ジョブズの成功すら、iPodを信じられないほど安く供給する決意をしたというチープ革命の一変形に過ぎない。一直線にならぶ技術であれば、どこかで限界に達するのは当たり前。DRAMだけの専業会社にはあまりにマーケティングの幅がない。どれだけ優秀な経営者であっても、自由度が少なすぎては手腕は発揮できないだろう。
・・・、と思っていたら、そのものずばりを書いてくださっていた方がいた。
与太ブログのくせに、日経の記事より先に書けなかったのが悔しい。
ムーアの法則とはいかなるものか数字でやってみた。
仮想暦年 | 第n世代 | |
---|---|---|
価格 | コスト | |
1988 | 100 | 80 |
1989 | 63 | 50 |
1990 | 40 | 32 |
1991 | 25 | 20 |
1992 | 16 | 13 |
1993 | 10 | 8 |
形だけn+5世代までやってみた。
集積が進めばそれに比例して市場のコストは下がっていくと仮定する。100円で売り出したものが、またたくまに10円以下になる。いくらなんでも、初期コストの回収を考えれば数年で10分の1以下にかる商品はカットライン以下になり、商品ラインを廃止するしかない。こんな環境は、超保守的な仕事をしている私には想像の埒外だ。
技術革新の成功のみが産業の原動力であれば、必ず破綻する。半導体だけの問題ではない。ウェブ業界などでもあてはまりうる会社はあるだろう。案外身近に似た現象があるようにも思う。反省、反省、反省。
もっとも、本来長い長い人類の歴史でみれば、世間は停滞しているのが当たり前なのだ。
- 作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: 単行本
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*1:このhtmlの表は、「エクセルシートをHTMLテーブルに変換しちゃう君 (ββ)」を使って作った。非常に良くできている。ただ、CSSが変わってしまうらしく、この表以外も罫線が表示されるようになってしまった。ま、ご愛敬。