id:finalventさんお薦めの西堀栄三郎先生の本がめちゃめちゃ面白い。
- 作者: 西堀栄三郎
- 出版社/メーカー: 生産性出版
- 発売日: 1999/04
- メディア: 単行本
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とくにここ。
(探検家的精神とは)一生懸命になって調査をし、あらゆる面から完全と思われるほどの準備をして、そしていよいよ出発しても、どんなに時間をかけても、結局は、完全にリスクをゼロにするような準備というものはできないということです。つまり、われわれが準備できるというコトは、思いもよっているコト、考えられるコト、予測のつくコト、これしかできないのです。
いやぁ、タレブと西堀先生の対談させたら面白かっただろうな。
しかし、実際には、未知のことをやるのですから、思いもよらないコトが必ず大なり小なり出てきます。これは当然なのです。ですから、これに対する心構えというものが、探検家としていちばん大事なことになります。未知であればあるほど、思いもよらない出来事というものは、出てくるにちがいないのです。
これは建築の仕事がまさにそう。どんなにプロジェクトとしてつめにつめても、天候の変化もあるし、地震だってある。ましてや、人の手配やら、ロジスティック的な間違いも出てくる。常に予想外の重大なことがら次から次におそいかかってくる。プロジェクトの大小にかかわらず「思いもよらない出来事」は起こる。
それじゃあ、いったい、そのときにどうしたらいいか。ただちに臨機応変の処置をとらなければしようがありません。つまり、そういうリスクのきざしが見えたときに、いち早く、しかも、最も的確な処置を講じる以外には、ほかにやりようがないのです。それにはどうしたらいいか。あわてふためいた状態においては、決して臨機応変の処置を、速やかに的確にとることはできません。アガっていてはだめなのです。おちついてなければいけない。つまり、”心の平静”ということが非常に大切なのです。
まさしくとしかいいようがない。現実に目の前で起こった物事に対して、上位者であればあるほど、落ち着いて対応しなければならない。上にたつものがあわてれば、以下同文で、下にいくほど混乱は大きくなる。
現場全体、プロジェクト全員が落ち着いて対処するにはどうしたらいいか?それは、組織の力を高める以外に方法はないというのが最近の私の結論。トップがどんなに青筋たてて怒っても、組織は変わらない。組織の常識、あたりまえ、基準、社風を変えて、自然と対処できる底力を養うしかない。
ま、そんなことで。