HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

土地の価格が下落すれば、建物の投資が増え、楽しくなる

先日、何人かの金融機関の方とお話しする機会があった。都心や一部の高級住宅地は別として、驚くべきことに地価が安い地域の方が建物そのものにお金をかける傾向があるとおっしゃっていた。確かに、現在の金融システムでは、年収と現在の年齢でほぼ借りられるローンの上限は決まってしまう。あとは、総額の中でどこまでを土地の購入に使い、残りを住宅建築に使うということになる。ただし、これまでの商習慣でいえば住宅は、新築しても10年も経つと住み替えの時に価値が評価されなくなってしまってきた。

これに対して、欧米の住宅は寿命が長い。長いので、ストック社会なのだと。欧米はストック経済の国なので、もはや住宅などに投資する必要はないものだと私は信じていた。

ところが、非常に不可解だったのが某所で見せてもらったこのグラフ。

このグラフによれば、米国、フランスなどの方が、日本と比べて人口千人あたりの住宅投資額は大きいというのだ。

たしかに、以前一人当たりの住宅ローン残高を比較したときも、同様の結果が出ていた。

相対的に見れば、米国、英国、フランスの地価単価は、日本よりも安い。そして、海外旅行にいったときにでもちょっとスーパーによって、雑誌棚を見てみればわかるが、欧米で普通に建築するとは内装が中心になる。乱暴に言ってしまえば、「住宅投資 = 住宅ローン残高 − 地価」、しかも、スケルトン部分は昔からの石造りやRC造を利用していることを考えると、かなり大きなリフォーム市場があることが予想される。

 松村 そうですね。私は1996年頃、「再生主体の時代に入った時、必要になったのはどのような人材だったのか」とヨーロッパの各国で質問したことがありました。いろいろな答えが返ってきましたが、一番多かったのは「コミュニケーター」という回答でした。

「新築中心」から離れたら、新しいビジネスが見える:日経ビジネスオンライン

つまりは、リフォームで快適で楽しい空間を作り出す方向に日本も傾いてきたということ。というか、これまで地価があがり続けてきたので、住宅を生活の場でなく、投資の対象だと考え続けてきたことそのものを改めるべき時代が来たのかもしれない。

ま、我田引水に結論を出してしまえば、以前主張したことはただしいと今でも思っている。