HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「大震災で住宅ローンはどうなったか?」

読み直している。今回の東日本大震災でも、同様の問題はおこるのだろう。

倒壊―大震災で住宅ローンはどうなったか (ちくま文庫)

倒壊―大震災で住宅ローンはどうなったか (ちくま文庫)

ポイントは二点かな?公費の投入と「倒壊」してしまった住宅ローンの重荷だ。

私は、阪神大震災の時に、公費はほとんど投入されなかったと記憶違いをしていたのだが、解体に対してはかなりの公費が投入されたようだ。今回の偽造によるマンションの解体費用の地方自治体等の負担というのも、まんざら先例がなかったわけではないらしい。


(中略)


自己破産を選択した人は無理にダブルローンを抱えてしまった方など、(住宅ローンが残ったまま家を失った)1万5千世帯に比べると本書が書かれた98年までで数十、改訂された04年までで数百という単位らしい。

[書評]倒壊 - 大震災で住宅ローンはどうなったか various cases: HPO:個人的な意見 ココログ版

著者は相当に念入りに都市銀行住宅金融公庫、はては日銀まで調査したとのことだが、ローンで自己破産せざるを得なくなったケースは比較的すくなかったらしい。

今回は件数が違うので、阪神淡路震災の時のパターンが踏襲されるかどうかはなはだ疑問だ。ただ、声を大にして言いたいのは、職場が復興しなければ一時的には復興しても、その街が永続しないことだ。政府の政策を見ているとはらはらしてしまう。

ちなみに、津波の被害を受けたいくつかの街では現在建築許可が下りない状況なのだそうだ。この際、被災された方は当面のキャッシュが必要だし、街の復興に時間がかかるのなら、国が一旦すべての土地を買い上げてしまってはどうだろうか?建築許可がでるようになって、生活が復興すれば、買い戻せる特約をつければよい。ABS(資産抵当付き証券)として、国の側としては資金調達することもできるのではないだろうか?