「長生きが地球を滅ぼす」を読了した。ご紹介いただいたむっちゃんさんに感謝。

- 作者:本川 達雄
- 発売日: 2006/01/20
- メディア: 単行本
代謝量と寿命の問題が書かれていた。人間ではなく動物の場合の体の大きさと代謝量が3/4乗の関係にあることは、「生き物たちは3/4が好き」に出てきた。

- 作者:John Whitfield
- 発売日: 2009/01/29
- メディア: 単行本
代謝量から考えると、ヒトは同じ大きさの動物が生存に必要なエネルギーの40倍を消費している。しかも、通常の代謝量から考えられる30年という寿命を大幅に超えて生きることを自分自身の環境を造りこむことで可能にした。
本書は、ここから一歩も二歩も先に進め、ヒトの時間を丹念に考えている。この視点から現代の高齢社会への対応までを視野に入れて論を展開されている。
数え切れないほど何度も書いてきたが、私自身もある意味同じ結論に達して自分自身の倫理観との抵触に悩んだ。生殖活動ができなくなってからの人生が長い社会ほど絶滅しやすいと言うことを発見したときは驚いた。
作者の結論については、ぜひ本書を読んでほしい。高齢化社会における倫理と生き方については真剣に考えるべきで時が来ていると私も思う。そして、今朝ほど、id:morutanさんとコメントのやり取りをさせていただいたが、これから先のヒトの生活密度の問題は大変重要であると私は考える。
自分では書くまいと思っていたのだが、著者があとがきで自分でこう書いている。
彼(道元)の主著『正法眼蔵』中の『有時』の巻において、道元は時間論を展開している。読んでみると、私の考えていたことが、そっくり書いてあるではないか。
ブックガイドに従い、生活密度と仮想世界との関係について考えるのに、読んでみる必要があるかもしれない。

- 作者:ハンナ アレント
- 発売日: 1994/10/01
- メディア: 文庫