HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

お金のつなげる力

本当は別のタイトルを考えていたのだが、ちょっと迷った。

この講演で吉本隆明が語りたかったことって、人生お金じゃないよ、ということではないかと最近思う。資本論の最初の方くらいしか読んでいないが、しつこく価値とはなにか、価値を比較するにはどうしたらよいかということをマルクスは書いていたように記憶している。結局、マルクスの価値論とは、時間とお金の収斂したように思う。「タイム・イズ・マネー」であるから、究極的にはお金という一元的な価値で資本論のすべては構築されているのではないだろうか?

ももちさんが「お金は便利だし、私も好きだ」とおっしゃった。逆に言えば、みんながお金が好きだから私もお金が好きだということになる。みんなが好きなものであるから、世界中のものの価値をお金に換算することができる。一元の価値であり、みんなが好きなものであれば、国境を越えてどこまでもお金のネットワークは広がっていく。だから、世界はフラット化していく。

フラット化する世界(上)

フラット化する世界(上)

フラット化する世界(下)

フラット化する世界(下)

いま必死にお金を増やそうとする動きがある。お金が増えれば、お金が交換できるものは見た目ではどんどん増えていく。お金の一元的な価値体系に取り込まれれば、本居宣長が書いたように、ますます「お金が得難くなる。」

別のところである方のご意見を拝見し、またその通りなのだろうと思うのは、どこまで膨張を続ければ、お金の発行をしている人を信じられないポイントを超えるのだろう。その瞬間に、お金はみんなが好きなものでなくなり、価値を失う。価値を失ってしまえば、また物々交換や藩札のようなごくごく小さな地域で流通する地域通貨へとお金は退化する。

誰からも好かれなくなったお金が再度価値を取り戻すには、最初の組み合わせの時間とのカップリングまで、ほんとうの価値ってなに?、ってところまで戻らなきゃいけないのではないだろうか。

私は吉本隆明の対談くらいしか読んだことがないので、確信を持っていえないのだが、あのNHKの講演の射程はかなり長いのではないだろうか。買いかぶりすぎだろうか?

あ、そういえばこれが本棚にあった。

新しい物価理論―物価水準の財政理論と金融政策の役割 (一橋大学経済研究叢書)

新しい物価理論―物価水準の財政理論と金融政策の役割 (一橋大学経済研究叢書)

ゲゼルかな。

■なるほど

やっぱり、お金は崩壊するまで増殖すると。

以上を踏まえた上で、「なぜ経済成長が必要なのか」を改めて考えてみると、その答えは「そうでないと借金が増え続けてしまうから」という実もふたもないものとなってしまった。

404 Blog Not Found:経済成長が必要な本当の理由