物語は必ず終わらなければならない。物語はひとつの体験だ。ここでない、いまでない、私でない誰かになる。しかし、読み終われば必ずいまの、ここの、私自身に帰ってこなければならない。それが悲しかった。
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2008/06/27
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あれはなんとい物語だっただろうか、学校嫌いな男の子が連れて行かれた不思議な先生の学校。空の雲からジュースを絞ったり、紙で作った動物が動き出す。そばかすから、薬を作った。不思議な不思議な授業がいっぱいだった。しかし、最後はその先生が小さくなって消えてしまった。主人公の男の子はもう一度普通の世界へもどらなくてはならなかった。
「指輪物語」は映画化されてやたら有名になってしまったが、「指輪物語」に先立つ、「ホビットの冒険」の原題をご存じだろうか?"The Hobbit: Or There and Back Again"というのだそうだ。「ゆきてかえりし物語」とはどなたが訳したのだろう。*1
- 作者: J.R.R.トールキン,寺島竜一,瀬田貞二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1983/09/30
- メディア: 単行本
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- 作者: J.R.R. Tolkien
- 出版社/メーカー: HMH Books for Young Readers
- 発売日: 2002/08/15
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あれは大学1年生だったころ、関先生の文化人類学の授業が大好きだった。デュルケームや、モースなど、社会学から文化人類学へと一連の流れを教えてくださったように記憶する。レヴィー=ストロースにはあまり触れられなかったような気がする。祭典の分析の中で、どこの部族民だったか、通過儀礼のために若者たちが日常から隔絶され、ひとつの死を意味する儀礼に参加し、さらに祭礼が続き、ゆっくりとこの世に戻ってくる。この過程の中で、ポスト・フェストゥム=祭りの後の過程が大切なのだとおっしゃっていた。
バスチアンがこの世に帰ってきてもなにも変わらない。エンデは言う。「ほんの小さな違いしかないかもしれない。しかし、その小さな差が大事なんだ。」
千尋がこの世に帰ってきても、変わったのは髪どめだけかもしれない。
しかし、別の世界へ行って帰ってくることがあなたを変える。あなたが変われば世界はかわる。そうじゃないかい?
■思い出した!
これだ!
[rakuten:book:11543096:detail]
*1:遺稿をまとめた本が出ているのを発見!その名も「終わらざりし物語」!なんとこのエントリーの趣旨にあったタイトルだろう!終わらざりし物語 上、 終わらざりし物語 下