与謝野晶子の現代語訳のテンポがよい。非常に感情移入しながら読んでいる。
- 作者: 紫式部,与謝野晶子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1971/08/10
- メディア: 文庫
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江川達也の本のお陰で、ひとつひとつのシーンが実にリアルに浮かぶ。ま、江川源氏と比べると与謝野源氏はあっさりはしてはいるが。
残念なのは、私に和歌の素養がなくて、解説なしには歌の意味がわからないこと。江川源氏はその辺は親切であった。また、そのシーン、そのシーンに合った説明をしてくれた。
与謝野源治のそれぞれの帖のはじめに、晶子自身の歌が添えてあるのをいまごろになって発見した。実に趣深いことだ。
ついこの間まで風邪を引いていたからか、「夕顔」では感情移入しすぎて私自身まで身体の具合が悪いような気がした。健康であることは、本当に大事だと回復して実感する。ご忠告、ご心配をいただいた方々にこころから御礼を申し上げたい。
ありがとうございました。
ちなみに、先日読んだ「宇治十帖」の部の「あさきゆめみし」を子どもに渡した。翌日には読み終えて、私に言った。「浮舟より、紫の上の方が私は好きだな。浮舟はなんていうか優柔不断なんだもの。いらいらする。」1000年たっても、きちんと伝わるべきは伝わるものがある。
考えてみれば、夕顔も源氏と頭の中将の二人に愛された女であり、結末には死があった。与謝野源氏ではまだ宇治はほど遠いが、私の印象としても薫よりも、匂いの宮よりも、源氏の君の方がおもむき深い感じがする。
そういえば、ひととおり読んでしまったら、改めて江川源氏を読んでみたい気もする。
■政治物語としての源治
以前、finalventさんがおっしゃっていたこと。
後宮を制するものは
国をも制する
isbn: 4063600521:detail
日本は昔から閨閥つながりであったと。そして、それは今も変わらない。
- 作者: 広瀬隆
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1998/11
- メディア: 単行本
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開発主義がなく、技術革新がすすまず、フロンティアがない、これからの世界ではまたそれはそれで安定をもたらすのか。いや、安定という停滞なのか。
いずれにせよ、日本の昔からの姿を知ることが、これからを知ることになるのだという予感は強まるばかりだ。