HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

ブラックスワンの処世術

世の中には、見えている人と見えてない人がいる。タレブは現代版「無知の知」を強烈に訴えている。

タレブ : フェアなコインがあって、99回「表」が出た。次に「表」がでる確率は?
まじめなジェームズ : もちろん50%に決まっているじゃないか。
ファット・トニー : 「表」、「表」に決まっている。確率的にありえないことが起こっている。ここにはいかさまがあるに違いない。

ファット・トニーはNerdな連中の意味では働かない。しかし、極端がことがおこることがあたりまえな世界では、まじめに働くことだけでは乗り切れない。

専門家の予測がいかに「知的傲慢さ」に満ちていて、不確かなものであるか。高度な教育を受けた経済専門家が、一晩中コンピューターを動かして得られる「予測」よりも、タクシーの運転手の推量の方が正しいこともある。

この考え方の延長線でいけば、計画経済、官僚の予測に基づく規制、指導がいかに狙ったとおりに動かないかという考えにいたる。ましてや、政府の不況対策...かな。

The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable

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