「死ぬことと見つけたり」読了。

- 作者: 隆慶一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
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ものごとを捨て、自分の生を捨てることで見えてくるものは確かにある。そういう価値観が最近言われないのがくやしいだけ。
すべてをすててたたかう男
デビルマン
以下、タイガーマスクとか、仮面ライダーとか、昔のヒーローって捨てるべきものはすべて捨てているのが当たり前だったような気がする。
読了してみて、この本の構成自体が実はものすごく皮肉というか批判を込めているのだとわかった。これだけのドラマであるのに大河ドラマに採用されない訳が腹に落ちた。
個人的には白洲次郎を読んで以来、どれだけ今の時代が危機的に思えたとしても、それは60年前、400年前、800年前、2000年前でも同じなのだとつくづく感じた。
それなのに『いくさ人』の理屈ばかりが幅を利かすのは間違っている。泰平の世には泰平の理論がある。秩序がそれだった。秩序がすべてに優先すべきである。秩序を乱す者は厳罰に処す。
いくつかの単語を現代に合わせて読み替えると、いまの21世紀人の気持ちになるのではないだろうか?それでも、引いた部分の先の物語の展開が示すように、死線を生きた人には生きた人の迫力があったりする。これを単に「戦前の遺物である」と排除すること能ワザルのが、人の生き方の難しいところ。
それにしても、本書をど読了してもなお、死人であるなら死ぬことに抵抗してはならない、ゾンビではないのだからとやはり、いま思ってしまう私がいる。
本書に横たわる宗教観の問題とかツッコミどころ満載なのだが、私は私なりの今日は勝利感をあじわっているので、今日は触れない。
■追記
よろしくというあいさつに代えてとらばを!