ようやく倉橋由美子について書きたい気持ちになってきた。なんというか、理知的な小説だと思われがちな彼女の小説というのは、実は職人芸的なものであったという気がしてきたからだ。
彼女の作品群は、工芸品の美に近いように思う。いつぞや、そう、耳を悪くしてから書いた随筆の中で、自分の作品は御恩のある方から頼まれた時だけ書くようになったと言っていた。なんというか、いい依頼主に恵まれて自分の持てる技能を尽くして作る宝飾品のような感じがする。塩野七生のなにかの作品に、恋人のために自分の財産を傾けてまでプレゼントをした男の話があった。
うーん、うまくまとまらん。またあとで書きます。